ヘッドウェイの伝統 HD-115の再構築
特にアコースティックギターの世界で「弾き込んで鳴りが増す」というのは周知の事実となっています。ピカピカに輝く新品のギターと弾き傷が付き貫禄たっぷりなビンテージギターの音が違うことは、ギターをよく知らない方でもなんとなくイメージがつくのではないでしょうか。
新品とビンテージ、音や弾き心地の良し悪しは弾く人それぞれの印象に任せるとして、その音色や楽器自体の変化を感じながらギターと接する時間は弾き手にとってこの趣味の大きな魅力の一つと言って過言では無いと思います。
一方作りてである私たち、ヘッドウェイにとってもブランドスタートから数十年を経過する今、かつて制作したギターのメンテナンスを通じて、この「ギターの変化」を実感しています。1970年代後半に制作したHD-115、スプルーストップ、ローズサイド・バックのこのギターはヘッドウェイの最もスタンダードなモデルとして今も現役で弾き続けられています。楽器として良い状態を保ちながら、完成当初よりもより豊かな鳴りを生み出した時、それは私たちにとっても大きな喜びとなり、これからのギター作りの糧となります。
今回製作するHD-115 ATBは、ヘッドウェイギターを弾き続けることで得られる「音色の変化」を弾く方全てに楽しんでもらえるように作りました。
昭和HD-115が示した道に従い、力木を削らず(ノンスキャロップブレーシング)、ブレイシングが交差する位置をブリッジ寄りに(スタンダードX)。音の粒立ちが良く、芯のあるサウンドを引き出しました。一般的に音が固くなりがちと言われる仕様において、そのイメージを覆す弾きやすさ、豊かな音量をご体験頂けます。
加えて当時のHD-115を再現する様に真鍮製のサウンドホールラベルやシリアルののスタンプ、塗りこみピックガード、塗装の色・質感など外観面でも随所にこだわりました。一方でJESCARフレットを使用するなど直近の制作実績からいい手応えを感じている点も盛り込み、今のヘッドウェイのスタンダードとしてのHD-115を再構築。弾き手によって使い込まれ、それぞれの深みを持ったサウンドに変化する、「弾き続けて育て上げる」ギター。新しく完成するHD-115 ATBを是非お試しください。
Body Top |
Sitka Spruce
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Body Side&Back |
Indian Rosewood
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Neck |
African Mahogany 1P
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Fingerboard |
Ebony
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Nut |
Bone
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Bridge |
Ebony
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Machineheads |
GOTOH/SG-301 05 GG
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Scale |
644mm
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Width at Nut |
43.0mm
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Fingerboard Radius |
400R
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Bracing |
Non Scalloped Normal Shift X Bracing
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Finish |
Thin Urethane
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String |
Elixir NANOWEB Light(.012-.053)
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Accessories |
ハードケース、六角レンチ、保証書
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作成者:dev-web3 作成日: