
日本に自生する数々の木材。日本の土、水、季節に育まれた日本の木を使って、長野県松本市で40年以上楽器製作に携わるヘッドウェイの職人が、優しく温かみのある音を奏でるウクレレを製作しました。
木材は種や科目が類似するものであっても、産地によって違いがあります。例えば北米のメイプルという木と日本の楓(カエデ)は非常に近い種類の木材ですが、産地が違うために見た目や質感に違いが現れます。
木にはそれぞれが持つ木目、木肌といった質感があります。硬さ、重さ、しなりといった要素は楽器に仕上がった時に生まれる音色に対して、その木材ならではのニュアンスを加えます。時に周りの人には伝わらない繊細な違いかもしれませんが、弾き手にとってそのニュアンスはその楽器をより愛着を持って弾き続けることができる重要な魅力の一つです。
長野県松本市にアコースティックギターの工場として生まれ40年以上の歴史を積み重ねてきたヘッドウェイの職人が日本の木を使って、その魅力を存分に引き出した「日本のウクレレ」。ぜひ手にとってその魅力をお確かめください

先述の通り、木にはそれぞれに木目や木肌が異なり、さらに樹種が同じだったとしても板に切り出した時点で見た目が大きく変わります。素材やスペック表記上は同じではありますが、自然由来の一本物であることをふまえ、その違いをご覧ください

桜(サクラ)
春に花を咲かせ、日本人の心に深く根付く桜。ボディだけでなくネックや指板にも桜を使った「オール桜ウクレレ」です。ポジションマークに桜の花びらをイメージさせるデザインを取り入れました。桜の木が持つ白い木肌に、桜をイメージさせるピンクカラーを少しだけ加えて、自然な桜色を表現しました。
HSC-ALL SAKURA'19製品ページ

神代タモ(ジンダイタモ)
「神代木」という言葉は木材に携わる職業の方を中心に交わされる表現です。かつて土砂崩れや火山の噴火等によって山中に埋もれてしまったまま、1000年以上朽ちることなく残っていた木のことを指します。通常木は年をとって倒れてしまった後、腐敗を始めてそのうちに土へ還りますが、火山灰や土砂の中で無酸素という特殊な状況下に置かれたとき、その木は腐ることなく形を保ち続けるのです。そして長きに渡って眠り続けたこれらの木が、やはり土砂崩れなど特殊な環境変化にともなって「出土」したとき、それを神代木と呼んで大事に取り扱うのです。
今回のウクレレに使用したのは神代木の中でもタモの木です。一般的な木材に見えるような色ではなく色素が抜けたようなグレーは、この木材がただならぬ環境の中で時を積み重ねてきたことを伝えています。
HSC-JINDAI'20製品ページ

黒柿(クロガキ)
日本の歴史的美術工芸品を収蔵する奈良・正倉院の中にも、数多くこの木を使用した木工芸品が見られるように、古くから珍重されている「黒柿」。秋になると実をつけるあの柿の木ですが、ごく稀に黒い縞が現れる個体があります。見た目にも個性的で、一本一本その表情を大きく変えます。少し硬めの木材で、ウクレレらしいコロコロとしたサウンドをお楽しみ頂けます。
HSC-KUROGAKI'20製品ページ

楓(カエデ)
ムクロジ科カエデ属の落葉高木です。日本では秋に紅葉した楓の葉っぱのイメージがあるように、桜と同様に私たちに季節を感じさせる木です。木材としての価値も非常に高く、楽器の他に建築材や各種木工品にも頻繁に使われてきました。その魅力は白い木肌と稀に出てくる杢(もく)です。目の細かい杢は「フレイム杢」などと呼ばれて、高級楽器を始め、高級家具や調度品にも重用されています。
比較的硬質で張りのある音色が特徴です。
HSC-KAEDE'20製品ページ

朴(ホオ)
朴の木(ホオノキ)は大きな葉が特徴の落葉高木。朴の葉には殺菌作用があり、木自体は比較的硬質で加工性も高いため古くから人々の生活と近い距離にある、実は馴染みの深い木材です。
板は独特の少し緑がかった様な部分とサップ(白太)部分があり、加えて杢も表情豊かで楽器に仕上がった時にとても魅力的な外観に仕上がります。
HSC-HONOKI'20製品ページ

栃(トチ)
栃の木(トチノキ)も古くから人の生活に密着してきた馴染みある木材です。透き通る様な白い木肌が取れることがあり、目の細かい杢が出るものも稀にあります。
白い木は楽器製作においては大きな魅力の一つで、シースルーカラーを乗せやすい、発色が良いというメリットがあります。一般的に暖色傾向の木材がほとんどのため、寒色のカラーリングは発色が悪くなってしまいますが、栃の木だけは鮮やかに仕上がります。今回のウクレレではあえて着色を一切行わず、栃の木が持つ自然の白い木肌をそのまま活かす仕上げにしました。
HSC-TOCHI'20製品ページ


ソプラノサイズボディ
ウクレレらしさを存分に味わえるソプラノサイズで作りました。カラカラ、コロコロとしたサウンドはコードストロークでも心地よく響きますし、単音で弾いたときのサスティンも味わい深く広がります。

ゴトー製ペグ「UPT」
ストレートシャフトながら、内部にギアを持ちチューニングの安定性で群を抜くゴトー製UPTをペグに採用しました。伝統的なストレートのペグはギヤがなく、チューニングの際の音程変化が急で、調整が難しいという難点がありました。このUPTはギアを内蔵しながら見た目はストレートシャフトという伝統的な外観を保った画期的なペグです。

自立する専用ギグバッグ
ブラックのスタンダードなカラーリングのギグバッグですが、円錐状の形状のため自立します。2本のストラップでリュックの様に背負うことも出来ます。
楽器をしっかりと保護するクッション性も高く、多くのポケットがあり収納面でもメリットがあります。
紹介ムービー
島村楽器ウクレレスペシャリストKA’ALA猪古Jr.さんとヘッドウェイマスタービルダー安井雅人によるトーク
