昨年12月に発表した「松くい虫被害のアカマツを使用したギター」はおかげさまで多くのメディアに取り上げて頂きました。一本目のモデルはBacchusのSurf Breakerを元にしたモデルでした。
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今回はBacchus Guitarsの完全な新モデル「PARROT(パロット)」というモデルとして制作しました。伝統的なシングルカットで薄型のボディに特徴的なヘッドシェイプです。
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一号機Surf Breakerは青から緑系のカラーリングで木目を引き立てましたが、二号機PARROTでは赤系のカラーリングを施しました。
2017年の3月に切り出したアカマツは、切り出した時点ではまだどれだけ形に出来るか見えない状況だったこともあり、製材されたのは一つの丸太のみ。その丸太もそこまで大きなものでは無かったため、ボディに切り出せるのはギター2本分しかありません。
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その内の一本がSurf Breaker、そしてもう一本が今回完成したPARROTということになり、まさに「兄弟機」と呼べる2本です。
LPタイプの流れを汲むボディシェイプではありますが、リアピックアップからブリッジユニットにかけてはTLらしさもあり、フロントピックアップはジャズギターの開祖チャーリークリスチャンをモチーフとするシングルピックアップ。しかもこのピックアップカバーにもアカマツを使用し、外観上のアクセントになっています。
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今回のモデルでもアカマツらしさを全面に押し出したデザインとなっており、虫食いの穴や節を大胆に取り入れました。
木の持つ自然な木目や虫食いといった唯一性を最大限に生かす様に、制作に携わる各スタッフが注力した特別なギターです。
一号機Surf Breakerと合せてディバイザーショールームへ展示している他、引き続き各種展示会などへの出展機会を検討しています。